住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。
明けましておめでとうございます。
今日から仕事始めという方も多いと思います。午年の今年も、目標に向かって力強く駆け抜ける一年にしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
年末に「住宅ローンを滞納するとどうなるのか?」というネット記事を見かけました。しかしそこには「金融機関に相談を」程度の解決方法しか書かれておらず、それはさすがにいろいろと省略し過ぎです。そこで今回は、この問題について詳しく説明したいと思います。
「滞納したらすぐ競売」ではない
結論から先に言うと、住宅ローンを滞納しても、すぐに競売になったり退去命令が出たりするわけではありません。会社でも、赤字が出たらすぐに倒産するわけではないように、物事には進む順番があります。どんな段階を踏んでいくのか、時系列で挙げていきますね。
①滞納1〜3ヶ月 :督促(電話・通知)
金融機関によって対応は異なりますが、まずは電話や郵便で支払督促がきます。1ヶ月程度の滞納であれば対応はまだ柔らかく、「次回引き落とし日までにご入金をお願いします」といった内容で連絡がくるようになります。
しかし2〜3ヶ月滞納が続くと、電話での相手の口調もだんだん厳しくなり、場合によっては訪問してくることがあります。郵送される通知の内容も、「滞納が続く場合、法的措置を取らざるを得ません」というような強い表現に変わってきます。
さらに、このタイミングで 「期限の利益の喪失」予告が届き始めます。
◆「期限の利益の喪失」とは?
住宅ローンには「35年などの期限の範囲内で分割返済する権利=期限の利益」があります。しかし滞納が続くとその権利を失効(=喪失)。よって分割払いができなくなり、一括返済を求められるようになります(「いつ喪失するか」は金融機関によって異なります)。
②滞納4〜6ヶ月 :内容証明や配達記録など→「期限の利益の喪失」→「代位弁済」
この時期になると、郵便物は普通郵便から「配達記録」や「内容証明」郵便になり、内容も「●月●日までに滞納分を全額支払わなければ期限の利益を喪失します」「代位弁済を行います」という非常に厳しいものに変わります。
◆代位弁済とは?
ローン残高の支払いについて、銀行が保証会社へ請求し、保証会社が代わりに全額を支払うことです。このため、請求権は保証会社へ移ります(求償権が移転します)。
その後、債務者には保証会社から「●月●日までに全額●●万円+延滞利息(遅延損害金)を支払ってください」という全額一括請求が届きます。この場合、支払いは一括のみ可能で、滞納分だけを用意しても受け取ってもらえません。
また延滞利息は利率が高い場合が多く、ローン残高に対して年14%程度に設定されていることがあります。たとえばローン残高が3,000万円の場合、14%の延滞利息とすると年間約420万円(1日約1.1万円)。このように、一旦支払いが滞ると雪だるま式に増えていってしまうのが「借金」の怖いところなのです。
ブラックリストに「異動」情報が登録される
代位弁済が行われると、信用情報には「異動」が記録されます。これはいわゆる“ブラック”の状態で、完済・解決してから5年間は、新たなローンを組むことができません。
ブラックリストは、実際にそういったリストが存在するわけではなく、返済状況が「個人信用情報機関」に登録されることを指します。金融機関はローン審査の際にこれらの情報を照会するため、延滞情報が登録されると新規のローン審査は通りにくくなります。なお、個人信用情報機関には以下のようなところがあります。ネットや郵送で「開示請求」をすることで自分の状態を知ることも可能です。
CIC
https://www.cic.co.jp/index.html
JICC(株式会社日本信用情報機構)
https://www.jicc.co.jp/
JBA(全国銀行個人信用情報センター)
https://www.zenginkyo.or.jp/
ちなみに、勘違いをされている方がとても多いのですが、ブラックになったからといって、生活上すぐに支障が出るわけではありません。自己破産でない限り、既存のクレジットカードは使用できることが多くあります。
一括返済ができないと、競売申立てに
③競売申立て→競売開始決定
全額一括請求に応じられない場合、債権者は裁判所へ競売申立てを行います。登記簿に「差押」「競売開始決定」の記載がされ、債務者には「競売開始決定通知」が届きます。その後、執行官・不動産鑑定士が室内調査に訪問し、競売の準備が進行。この時期は任意売却業者からのDMや訪問も増えてきますから、そういった、通常と違う人の出入りの様子から、近隣に競売が知られてしまう可能性も出てくるのがこの時期です。
室内調査後、評価額の通知・入札期間を経て、最も高値をつけた人が落札。競売開始決定から落札までは6〜7ヶ月程度かかるのが一般的です。
④落札後:所有権移転→引渡し(退去)
落札から約1ヶ月〜1ヶ月半で代金納付・所有権移転となり、新所有者から退去を求められます。退去に関して居住者と交渉がまとまらない場合は、裁判所による強制退去(強制執行)となります。
なお、競売代金は債権者に支払われますが、売却代金でローン残高をカバーできなければ残債務として債務者には請求が続きます。残債にも遅延損害金は加算されます。
競売になる前に考えられる解決策=任意売却
このように、住宅ローンを滞納し競売になるまでには①~④の流れがあるのですが、ではひとたび、この流れに乗ってしまった後は、おとなしく落札を待つしかないのでしょうか?
答えはNOです。滞納から競売開始決定がされるまで約6ヶ月間。競売落札までを含めれば約1年間あるなかで、任意売却によって競売を止められる可能性があるのです。
任意売却とは、住宅ローンを支払えなくなった所有者が金融機関と協議、同意を得て物件を売却する方法です。メリットとしては以下が挙げられます。
・競売より高く売れる可能性がある。
・競売開始前なら差押登記が付かずに売却できる。
・周囲に競売になっていることが知られにくい。
・引越し費用の確保ができる場合もある。
・返済計画の調整(法的整理・私的整理)も併せて検討できる。
オーバーローンの場合は任意売却でも債務は残りますが、生活状況に合わせた返済計画や整理方法が取れる点は、競売とは大きな違いです。
先が見えれば、人は前に進める
住宅ローンが払えなくなる――。このことに大きなショックを受けるのは、もちろん、誰あろう債務者本人です。ですが、病気・失業・収入減・離婚・景気変動など、自分や社会のさまざまな事情による不測の事態は誰にでも起こり得ること。大切なのは、その事態にただただ怯えるのではなく、一刻も早く正確に状況を把握し、“知ったうえで最善策を選択する”ことだと思います。ご説明したように、競売までには段階がありますから、行動が早ければ早いほど、解決策の選択肢も広がります。
人は誰しも、不透明な先行きや、未知の言葉に大きな不安を感じるものです。でも、きちんと理解できれば少なくとも不安は軽減し、少しでも道は開けるものです。解決方法に正解はなく、理解したうえで自分が選んだ方法こそが正しいもの。私たちは、その選択肢を知っていただくための情報提供と、最適な解決策の実行をサポートしています。
どうか一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。
「住宅ローンが払えない」というご相談をはじめ、離婚問題、相続問題、債務問題、不動産トラブル、投資物件トラブル等でもお困りのことがありましたら、こちらもお気軽にご相談ください。ご相談内容に適したアドバイス、専門家の紹介も行っています。まずは何でも、ご遠慮なくお問い合わせください。
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