自己破産するとどうなるのか。 no4

自己破産って?

自己破産とは、借金をどうしても返せない人が生活するために必要な家財道具の総額99万円を除き、他の財産の全て返済にあてて清算して、再出発するために残った借金を免除(免責)してもらうまでの制度です。

これは破産法という法律に定められた国の制度で、借金に苦しんでいる人を救済して経済的な更生を図ることを目的としているため自己破産すると選挙権がなくなるのでは?戸籍や住民票に載ってしまうのでは?といったことも決してありません。

また、弁護士・司法書士が依頼を受任すると、各債権者にその旨の通知をおこない、直接の借金返済に関する取り立てを受けることもありません。自己破産では、大切な不動産や自動車を手放すため、失うものも大きいかと思いますが、借金は帳消しになるので『心機一転、ゼロから人生の再出発をはじめたい』という方にとっては、最適な債務整理手段と言えます。

自己破産するとどうなる?

自己破産の手続きは、まず申立人は申立書を地方裁判所に提出することになります。裁判所は破産決定の原因を審理して、申立人に支払不能などの破産の条件が備わっていれば破産決定がなされます。しかし、破産が決定しても、それだけでは借金がなくなったことにはなりませんので、免責決定を受ける必要があります。

免責とは破産の手続き上において、返済することが出来ない債務を免除してもらうことを言います。これも破産決定と同様に、免責不許可事由の審理をして、免責決定がなされれば借金は免除となります。

もし免責不許可事由に該当し、免責不許可の決定がなされてしまうと借金および破産者の受ける不利益は残ることになってしまいます。

免責不許可がなされる主なケース

  • ギャンブルやショッピングによる浪費のとき
  • 財産を隠して破産手続きをしたり虚偽の書類を提出したとき
  • 詐欺的な借り入れ状況があるとき
  • 破産財団に属する財産を債権者の不利益に処分したとき
  • 免責申立後7年以内に免責を得てるとき

自己破産による制限

  • 市町村役場の破産者名簿に記載されます
  • 官報に掲載されます
  • ローンやクレジットを利用することができなくなります。
  • 次の資格に制限があります
    弁護士・公認会計士・弁理士・税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・土地家屋調査士等、また商工会議所会員となる資格 後見人・保佐人・後見監督人・遺言執行者といった法律上、他者の法律行為を補完すべき立場の者となる資格
  • 株式会社・有限会社の取締役・監査役となる資格 また合資会社・合名会社の社員となる資格 他人の財産を管理し、また取引を行う仕事に就く資格
    (信託の受託者・証券外務員・旅行業者・商品取引所会員・宅地建物取引主任者・中央卸市場の卸売業者・建設業法に定める建設業者等)
破産管財人事件になると次の事項も制限されます。
  • 自分の財産を勝手に管理・処分できません
  • 破産管財人や債権者集会への説明義務が生じます
  • 裁判所の許可なしに住所移転や長期旅行ができません
  • 裁判所が必要と認める場合には身柄拘束されることがあります
  • 郵便物は破産管財人が管理して、破産管財人宛に配達されます。

復権について(免責)

免責決定がなされると、税金・損害賠償債務・養育費など一部の支払い義務を除いた借金の支払義務が免除されて破産申立以前の状態に戻り法律的な制限から解放されます。これを復権といいます。但し、ローンやクレジットなどの利用はできません。
復権すると次のような事が可能になります。

  • 借金が免除になります
  • 市町村役場の破産者名簿から抹消されます
  • 破産宣告後に得た財産(自由財産)は貯金、保険などに加入することもできます
  • 弁護士・公認会計士・税理士・司法書士などの資格保有者は営業業務を再開できます
  • 後見人、保証人、遺言執行人や株式会社の取締役、監査役および合名会社、合資会社の社員になることができます。

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