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リースバック契約でのトラブル激増。最後の資産を守るために

住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。

全宅連(全国宅地建物取引業協会連合会:通称「ハトマーク」)に加盟している宅建業者向けメールマガジンが、「住宅のリースバック契約のトラブルについての注意喚起」というタイトルで配信されました(5/31付)。
それによれば、「全国の消費者センターに、住宅のリースバック契約に関する相談が近年増加している」「2024年度の相談件数は200件を超えており、契約者の約7割が70歳以上である」(国民生活センター発表)とあり、グラフを見ると2019年には24件だった相談件数が2024年には239件。たった5年の間に約10倍に急増しています(報道発表資料はこちらから)。

   

「売却してもそのまま住める」と言うほど単純ではない

改めてですが、リースバックとは、「所有不動産を売却してその代金を受け取るが(住宅ローンなどの債務がある場合はその代金で返済)、受け取った後もそのまま、その不動産を買い手から賃貸物件として借りて居住・使用し続ける」という方法です。買い手との条件交渉によっては、数年後に買い戻す契約(再売買契約)を交わすこともできます。
こちらの図も参照してください。

こちらをクリックすると図が拡大します。

超高齢社会のいま、リースバックのニーズは年々高まっており、当NPOへも多くのご相談が寄せられます。ただその一方で、リースバックは条件によってさまざまなパターンがあるため、「売却してもそのまま賃貸で住み続けられる」と簡単に言い切れるほど単純なものではない。
耳障りはいいかもしれませんが、自分のライフプランや、それ以上にしっかりと人生観を持って検討しないと、思わぬ落とし穴にはまってしまう危険性も持っています。
「契約者の約7割が70歳以上」という発表ですが、これは私の体感としても同様です。お年寄りが騙されるケースがあまりに多いために、なんとか少しでも知識を武器として持っていただきたくて自分で書いたのが、『これで安心 55歳からの住宅ローン破綻回避術』という本でした。

「契約書に書いてありますけど?」

リースバックで起こりうるトラブルには、どういうものがあるのでしょうか。
一番は条件面の問題です。当NPOにご相談にいらっしゃる方の実例でもありますが、「普通賃貸借契約ではなく定期借家契約になっており、その期間が2年間に設定されていたので追い出されてしまう」とか、「契約更新で家賃が法外に上がり、払えなくなった」とか、「非常識なくらい安い値段で売却させられた」とか、「買い戻しもセットの契約と聞いていたのに結局、売ってくれな」とか……。ほかにも「途中で転売されてしまい、条件が変わった」「買い主が抵当権を付けて物件を買って、その後、向こうが経済的に破綻してそのまま競売になり、追い出されることになった」等々、挙げればキリがありません。

こういったことは「売買契約書に書かれていることだ」というのが買い主側の言い分ですが、悪徳事業者は高齢者の判断力低下や知識不足につけ込んで、実に適当な説明をします。「細かく読まなくても、いま説明したことが書かれているだけですから大丈夫ですよ」というのはそのような業者の常套句です。

リースバックは不動産仕入れの一環と考える悪徳事業者

それだけはありません。悪徳事業者は、リースバックを自分たちの物件仕入れの一環と考えていることがほとんどす。
表向きは高齢者支援のために、などと善意のフリをしてリースバックの勧誘をし、「一生住んでいられますよ」と口では言うものの、極力安い金額で売却させてしばらく住まわせた後に、契約条件を変えるなどして居住者を追い出し、物件を転売して儲けるーー。このような、いわば詐欺のような行為で物件を〝仕入れる〟悪徳業者は少なくないのです。
最初から悪意を持って近づき、2年計画くらいで追い出すようなことは、悪知恵の働く業者ならやろうと思えば簡単にできる。いつも言いますが、専門知識を持った人が素人を騙すなど、容易いことです。

リースバックを頭ごなしに否定する方は…

ただ、言うまでもないことですが私はリースバックを否定しているわけではありません。逆に、積極的に勧めるわけでもありません。
リースバックは、お金の損得だけで考えれば「損」です。査定額は一般流通の不動産に比べて7掛くらいですし(将来的な不動産市況は読めないので、査定は低く出ます)、リバースモーゲージと違ってあくまでも「売却」ですから、売った後は所有権も買い主に移転します。個人による不動産売却なので、クーリングオフも使えません。
ですから、今回のように実際に被害に遭われた方が急増しているということが社会問題として噴出すれば、「リースバックなんか絶対にやってはだめ!」と頭ごなしに否定する方々も増えるかもしれません。
でも、そんな方には、まずはリースバックについて勉強してきちんと理解してからおっしゃっていただきたいなと思います。

解決策を選ぶ背景は千差万別

リースバックは、ひとつの考え方です。
老後の家問題や経済的な問題を解決するには、リースバックのほかにも住宅ローンの借り換え、リバースモーゲージ、売却、賃貸に出す、子どもと同居する、など、いろいろなパターンが考えられます。でも、それに至る背景は千差万別。ライフプランも生活状況も、年金収入も貯蓄額も人によってまったく違いますから、何がベストなのかは、一概には言えません。
そんな中での、ひとつの選択肢としてのリースバックは「悪」ではないし、きちんと理解してご自分が納得したうえで有効に使い、「やってよかった」と喜んでくださった方は、当NPOの相談者にも、何組もいらっしゃいました。
お金の損得では計れない、複合的な理由でリースバックを選びたいという方が大半ですが、私は、高齢の方からのご相談の場合は、買取り先候補として大手の金融機関を紹介するようにしています。健康などについての見守りサービスを実施しているところが増えており、安心感も得られるからです。一方、金融機関では条件が合わない方には一般の投資家さんで、現金での買取りや、賃貸借契約の内容についても相談ができる方を紹介します。

「エイヤ!」の勢いでの契約は絶対にNG

いずれにしても、リースバックで大切なのはリスクも含めてすべて納得したうえで実行することで、後先考えず誰にも相談することなく、勧誘してくる人に押されて勢いで契約してしまうということだけは、断じて避けねばなりません。少なくとも、普通賃貸借契約なのか、定期借家契約なのか、買取り金額や、買い戻し希望がある場合はその金額は妥当なのか、賃料は支払っていける額なのか、買い手は借入れをして買うつもりなのか、といったことは、確実にチェックするべき項目です。

「最後の資産」を騙し取られないために

多くの方にとって、不動産は、換金できるおそらく最後の資産でしょう。そんな大切な財産を、悪徳事業者に騙されて安価に手放してしまうようなことがあれば、私なら、とてもではないですが耐えられないと思います。それまで頑張ってきた人生の、最終コーナーでの大失敗と言ってもいいくらいの話です。それだけは絶対に避けてほしい。

私はリースバックについて長年勉強してきましたし、扱ってきた案件もかなりの数にのぼります。座学と実地の経験はたくさん積んできていますので、悩んだり迷ったりすることがあれば、ぜひご相談にいらしてください。セカンドオピニオンでも、もちろん構いません。お話をうかがったうえで、相談者の方に合うリースバックのパターンを提案することも可能です。

10名様限定ではありますが、ご希望の方には『これで安心 55歳からの住宅ローン破綻回避術』を差し上げますので、ご予約の際にお申し出ください。
リースバックについての過去のブログは、こちらをご参照ください。また、国土交通省が『住宅のリースバックに関するガイドブック』という冊子を作っています。こちらのリンクからダウンロードできますので、参考になさってくださいね。

「住宅ローンが払えない」というご相談をはじめ、離婚問題、相続問題、債務問題、不動産トラブル、投資物件トラブル等でもお困りのことがありましたら、こちらもお気軽にご相談ください。ご相談内容に適したアドバイス、専門家の紹介もすべて無料で行っています。まずは何でも、ご遠慮なくお問い合わせください。

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