住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。
年度末ですね。先日のニュースで、「3月は離婚が一番多い」ということを言っていたのが耳に残りました。お子様の転校や苗字が変わる等、タイミングとしては年度の最終月が環境を変えやすい、というのが大きな理由だそうです。
2002年に約29万件とピークだった離婚件数は、2020年代に入って減少傾向が続いていましたが、熟年離婚を中心に再び緩やかな増加となっています。減少傾向にあったとはいえ、当NPOに「離婚と不動産」の問題でご相談にいらっしゃる方の数も近年、逆に増えている印象があり、それだけ離婚にかかわる問題が複雑化しているということなのでしょう。
誤解の多い「名義」と「債務」
実際、今月は離婚に関するご相談が続きました。
このブログでもお伝えしてきたように(関連ブログはこちらから)、「離婚」と「不動産」との間には常に多くの問題点や落とし穴のようなものが存在します。ご相談のなかでも最も多いのは、名義に関すること。誤解が多いのが「不動産の名義」と「ローンの名義」の違いや、「連帯保証」と「連帯債務」の違いについて。また昨今は夫婦でペアローンを組んでいる方も多いので、特に名義の部分はトラブルの元になりがちです。
基本的な用語を改めて少しおさらいしてみますね。
◆名義
所有名義:その不動産が「誰のものか」を示すもの。法務局の登記簿に記載される。
ローン名義:不動産代金を、「誰が銀行から借りたか」を示すもの。ローン名義人は、返済義務を負っている人を指す。
この2つは必ずしも一致するものではありません。「夫がローンを組んで買ったが、登記簿では夫婦の共有名義にした」場合、所有名義は夫婦2人で、ローン名義は夫だけとなります。離婚の際、トラブルになりやすいのがこの「所有名義とローン名義が別」の場合で、売却の可否やローン残債など、クリアしないとならない問題がさまざま出てきます。
◆連帯保証と連帯債務
連帯保証人:主たる債務者が払えなくなったときに代わりに払う人のこと。あくまでも「保証人」なので、主債務者が払い続けている限りは実際に支払い義務が発生することはないが、連帯しているので債務者が払えなくなれば債務者と同様に全額支払う義務を負っている。
連帯債務:最初から共に債務を負い、互いの返済について保証する。一方が払えなくなったら自分の負債と合わせて全額の返済義務を負う。連帯保証人よりも負担が重い。
ちなみに「オーバーローン」と「アンダーローン」は、前者は家の売却額よりもローン残高が多い状態、後者はローン残高が少ない状態をいいます。売却をするにも借り換えや名義変更をするにも、後者であるほうが解決の選択肢は多くなります。
民法改正。ポイントは「子どもの利益の確保」
先ほども書いたように、名義や保証については「離婚」と「不動産」問題に直面した時に最も火種になりやすいですが、さらに難題として降りかかってきやすいのが、不動産以外の財産分与や親権の部分です。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、このほど民法が改正され、来月4月1日から施行となります。今回の法改正のポイントは、一言でいえば子どもの利益の確保についてのルールが手厚くなったこと。「親権・養育費・親子交流などに関する民法等改正の解説」(法務省民事局発行)には、法改正の概要としてこんなふうに書かれています。
「父母が離婚後も適切な形でこどもの養育に関わりその責任を果たすことは、こどもの利益を確保するために重要です。2024年(令和6年)5月に成立した民法等改正法は、父母が離婚した後もこどもの利益を確保することを目的として、こどもを養育する親の責務を明確化するとともに、親権、養育費、親子交流などに関するルールを見直しています」
財産分与の請求期間が5年に!
なかでも特に注目したいのは、財産分与と親権についての改正です。
財産分与については、これまでは離婚後の請求期間は2年でしたが、これが5年に延長。当NPOの相談者の方を見ていても、離婚後の2年など本当にあっという間で、心身共に疲れ切って何も考えられないうちに「もういいや」と諦めてしまう方は珍しくありませんでした。弱い立場に立たされている人が落ち着いて考える猶予ができる、とても意味のある延長だと思います。
期間延長のほかにも、これまでは「一切の事情を考慮して」とだけ規定されていた財産分与の考慮要素が、
①婚姻中に取得・維持した財産の額
②各当事者の寄与の程度(原則1/2ずつ)
③婚姻の期間
④婚姻中の生活水準
⑤婚姻中の協力・扶助の状況
⑥各当事者の年齢・心身の状況・職業・収入
というように具体的に明記。さらに手続きをスムーズにするために、家庭裁判所が当事者に財産開示を命じることもできるようになりました。
共同親権のメリット・デメリットを考える
また、親権については「共同親権」を選べるようになります。これまでは、離婚後は父母のどちらか一方だけを親権者としなければなりませんでしたが、今回の改正により、父母双方を親権者とすることを選択できます(ただし、DVや虐待の恐れがある場合は必ず単独親権)。
共同親権のメリット・デメリットについては熟慮が必要な場面が多くなるでしょうし、離婚原因や父母の状況、何より子どもにとってそれがよいことなのかどうか、選択の是非は意見の分れるところだと思いますので、この機会に、当事者でなくても考えてみるきっかけになるとよいかもしれません。
いずれにしても選択肢が増えるのはよいことだと思いますし、たとえば共同親権が養育費不払いの抑止につながることがあるのだとすれば、評価すべきだと思います。
離婚に伴う住宅ローンの問題は、離婚の原因や不動産の名義、ローンの組み方、さらにアンダーローンかオーバーローンかによって、取るべき解決策が大きく異なります。また、この問題はお金や不動産のことだけではなく、ご夫婦それぞれの感情や今後の生活設計にも深く関わってくるため、簡単に結論を出せるものではありません。
スムーズな解決のためには、法律や不動産、住宅ローンに関する知識はもちろんのこと、感情面を整理しながら状況の一つひとつに対応していくことが大切です。
当NPOでは、そのような離婚に伴う住宅ローンや不動産のご相談をお受けしております。
「住宅ローンが払えない」というご相談をはじめ、離婚問題、相続問題、債務問題、不動産トラブル、投資物件トラブル等でもお困りのことがありましたら、こちらもお気軽にご相談ください。ご相談内容に適したアドバイス、専門家の紹介も行っています。まずは何でも、ご遠慮なくお問い合わせください。
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【3月の土日祝日無料相談会】
3月28日(土)
10:00~
13:00~
15:00~
17:00~
※面談時のマスク着用は、任意とさせていただきます。
電話、メール、オンライン相談(zoom)もご予約可能です。
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