「アパート経営、異形の膨張 16年3.7兆」に思うこと

こんにちは。

住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。

疲れて事務所に帰ってくると、デスクの上にスタッフから

「手作りおはぎです。」と↓

 

ううう、嬉しすぎます。疲れた身体に甘いものが染み渡る~

ということで、一気に大きなおはぎ2個を完食しました!

スタッフの気遣いがありがたいです。

仲間のおかげで仕事ができていると改めて感じ、感謝です。

 

 

さて、注目ニュース↓

アパート融資、異形の膨張 16年3.7兆円

アパート経営がうまくいかない、というご相談が増えて来ました。

・入居者が入らない

・半分以上が空室だ

・サブリースの家賃が下げられた

・設備経費が想定外にかかっている

・売りたくても債務超過で売れない

などなど、様々な相談が寄せられますが、

本当によく思う事は、

「どうしてこんな場所にアパート建設をしたのだろう。」

「入居者が入らなくなるのは目に見えている。」

ということ。

相続税対策だからと言って過剰にアパート建設を促し、

それに対して金融機関は融資をする。

それを建てよう、融資を受けよう、と決意して進めた人が悪い。

自己責任だから仕方がないということは、当然かもしれません。

でも、中には、リスクなどの説明を受けずに、契約した人も多くいます。

それって、無知な人を破綻に追い込んでいるとしか思えません。

そんな現状を感じざるを得ない、相談が後を絶ちません。

不動産会社は売って終わり、

建設会社は立てて終わり、

金融機関は融資して終わり、

かもしれませんが、それを持った人は、

ずっと何十年も債務を負い続けるわけです。

全ては不動産に対してでなく、個人に対して負い続けるわけです。

売っても借金が残れば、自宅などの資産も失う事になり、

自己破産まで追い込まれる人もいます。

これは、売り手責任、貸し手責任と言わざるを得ないと思います。

不動産会社は利益を得て、

建設会社も利益を得て、

金融機関も利益を得て、払えなくなったら保証会社が払ってくれる、

保証会社は保証料で補てんできるので、つぶれない。

つぶれるのは個人です。

そして、こういった不良債権になったアパートが任意売却や競売になって、

そこに群がる投資家たち。任意売却専門の不動産会社たち。

何なんだ、このスパイラルは。

嫌になります。こんな現状、つくってはいけません。

入口から変えなくてはいけません。

正しい情報。正しい提案。正しい不動産経営。

個人が自分で知識を備えるしかないのでしょうか。

これから、更に増え続けるであろう、この問題に、

私たちNPOでは、

無料相談会を全国で開始いたします。

また、詳細は後日お知らせします。

 

 

【以下、記事全文↓】

 金融機関による2016年の不動産向け融資が12兆円超と過去最高を記録した。背景の一つが相続対策のアパート建設だ。人口減社会には似つかわしくないミニバブル。まだ局所的とはいえ体力の弱い地域金融機関が主役だけに金融庁や金融界からも不安の声が上がる。米リーマン危機を引き起こしたサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題の「日本版にもなりかねない」(大手銀行首脳)。

 近鉄名古屋線、津駅から車で10分ほど。海岸に近い中河原地区を中心にアパートが急に増え始めたのは6年ほど前だ。すぐ数軒が目についた。「入居者募集中」。1キロ平方メートルほどの地区に数十軒以上が密集するアパート銀座だ。表札付きの部屋は一部で駐車場の車もまばら。徒歩圏内に駅もないこの地になぜなのか。

 「ブームだからと不動産業者があちこちに営業をかけた」。市内の男性(70)は憤る。自身も約10年前、業者の勧めで銀行から約2億円を借りて畑にアパートを建てた。近隣工場に勤務する人が入居したが、土地の安さに目を付けた業者が営業を強化しアパートが急増。入居者の争奪が起き「今はどこも空室だらけ。誰が責任を取るのか」。

 日銀によると16年の全国の不動産融資は前年から15%増の12兆2806億円で統計のある1977年以降で最高。バブル期も上回った。アパートローンも同21%増の3兆7860億円と09年の統計開始以来、最高に達した。貸家の新設着工件数も41万8543件と8年ぶり高水準だ。

 理由の一つは、15年の税制改正で相続税の課税対象が広がったことだ。アパートを建てると畑や更地などより課税時の評価額が下がるため地主らが相続税対策で一斉に建築に走った。マイナス金利で貸出先を模索する金融機関も融資に動き、東京都の郊外などにとどまらず東北や山陰といった地方部にも異様なアパートラッシュが広がった。

 埼玉県羽生市は市内の空室率が10年でほぼ倍増。下水施設などの維持管理コストが膨らむことを懸念し、15年にはアパートの建設地域を従来よりも制限する規制を出した。関西や中部圏から同じ悩みを持つ自治体の視察も相次いでいる。

 融資急増の反動も出ている。「家賃減額分を支払ってほしい」。愛知県に住む80歳代の男性は2月、不動産大手を相手取った訴訟を地裁に起こした。「10年は家賃が変わらない契約だったのに、6年後に10万円減額された」と主張している。

 男性はある契約を交わしていた。家賃徴収などを会社に一任する「サブリース」で、契約で決めた家賃を大家に払い続けるためリスクが少ないとされる。だが契約大家でつくる会によると、業績悪化などを理由に家賃を減らし、トラブルになるケースが増えている。この不動産大手は「運営環境などに基づいて判断し、協議したうえで決めている。家賃を上げることもある」と説明する。

 こんな事例は氷山の一角との声がある。融資を受ける場合、毎月の家賃収入が返済額を下回ると収支が逆ざやになり、運営を続けられなくなる恐れがある。石川県内にアパートを2棟所有していた男性(61)は家賃を1割減らされたことなどで月々の収支が悪化し14年にアパートを売却した。資産価値下落で手元には約3000万円の借金が残った。

 融資実態も不透明だ。津市内のある大家は「不動産業者の紹介で2つの都市銀行から数億円借りたが事業性などの質問はほぼなかった」と証言する。中長期の入居見込みすら確かめていない可能性がある。

 日銀統計もメガバンクや地方銀行などが対象でノンバンクは含まない。工場の敷地内にアパートを建てるケースなども含まれず実情を反映していない。中小企業が運転資金の名目で借りる「事業性融資」が実はアパート向けだったりすることもあるが、金融機関によって定義はあいまいだ。

■金融庁、リスクの把握急ぐ

 アパート融資を含む与信の集中――。金融庁は昨年まとめたリポートで金融システムの健全性に影響を及ぼしうるリスクの一つにアパート融資を挙げた。昨年12月に実態把握に向けて融資残高を伸ばしている12の地方銀行を抽出し、詳細な契約内容の提出を求めた。

 借り手には相続対策が必要な富裕層が多いこともあり、返済不能になっても担保の土地を没収すれば銀行の懐は痛まない。ただ人口が減り続けている地方都市で担保価値は長い目でみて当然、目減りしていくはずだ。調査では給与から返済している事例も見つかった。金融庁幹部は「担保を取っているから安全という問題ではない」と過度な融資増に警鐘を鳴らす。

 ある銀行幹部は「アパート融資の一部は流動化し投資家に売られている」とも明かす。複雑な証券化商品などが増えればリスクの芽は膨らむ。08年に破裂した米サブプライムローン問題も潜伏期間では誰も疑問を持たず危機は静かに進行した。需要と釣り合わないアパート融資急増のひずみは着実に増している。(小野沢健一、亀井勝司)

 

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