こんにちは。
住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。
ブログの更新が滞ってしまいました。。
6月に入り、土日祝日無料相談会の面談も増えてまいりました。
やはり、不動産関係の相談は、書類を見ないと分からないことが多いです。
特に投資不動産の相談は、契約の経緯や契約書の内容、サブリース契約書の内容など、
契約に至った詳細の経緯から、書類の精査まで行う必要があります。
その上で、解決策のアドバイスをさせて頂いております。
そんな投資不動産の相談は、はっきり言って、その不動産売買をあっせんしたブローカーや不動産業者、
そして、サブリース業者が悪徳なケースもあります。
いつもそんな不正を発見した時は、「こんなひどいことをやっているのか!!」と怒りがこみ上げてきます。
ダマされる方が悪いかもしれませんが、ダマすほうが悪いですし、悪質です。
不動産取引というものは高額のため、簡単に破綻に追い込まれてしまうのです。
そんな悪徳なケースを規制する法律が、2020年6月12日に成立しました!!
その名も、「サブリース規制法」
です。
~サブリース業者による勧誘・契約締結行為の適正化と賃貸住宅管理業の登録制度の創設~
サブリースとは?
賃貸管理は、受託管理とサブリース方式に分かれます。
受託管理は、賃貸管理会社に賃料に対して3%~5%程度の管理委託料を支払い、
家賃の集金代行や賃借人の新規募集、退去時の原状回復の手続きなどを委託するもの。
空室時の空室保証は無いが、管理委託料のみ払えば入居中の賃貸収入はサブリースよりも高く、
礼金や更新料等も収入として見込めることが多い。
サブリース方式は、サブリース会社の査定する賃料で借り上げてもらうので、
賃借人が退去しても賃料は支払われるので空室リスクが無く、安定した収入が得られる。
ただし、受託管理に比べ借り上げ賃料は低く、礼金や更新料も借り上げているサブリース会社に入るため、
収入としては見込めない。
(国土交通省「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律案」より引用)
本来、サブリース方式は、空室リスクを気にすることなく、安定した家賃収入を得られる方法で、
サブリース業者がしっかりとした会社であれば、賃貸経営する上で安心な方法です。
ほとんどのサブリース業者がしっかりとした運営をしていますが、一部のサブリース業者のずさんなやり方により、
不動産投資でダマされた!という相談者の多くがサブリース方式でのトラブルです。
「賃料が安定的に入ってくる」
「空室保証がある」
とメリットばかりに勧誘してきますが、あとから
「サブリース業者の解約条件が法外だ」
「サブリース業者から賃料が入らなくなった」
「サブリース業者が逃げてしまい、どうなっているかわからない」
「サブリース業者からいきなり解約通知がきて、空室で賃料が入ってこない」
「サブリース業者から解約させられたが、サブリース賃料より実際に入っている賃料が低く、ローンが払えない」
などとトラブルが絶えません。
こんなにトラブルが多いのに、今までサブリース業者に対して法規制はありませんでした。
今回の法律の成立で、下記2件が創設されることになります。
1.サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化に係る措置
〇トラブルを未然に防止するため、全てのサブリース業者の勧誘時や契約締結時に一定の規制を導入
〇サブリース業者と組んでサブリースによる賃貸住宅経営を勧誘を行う者(勧誘者)にも、勧誘の適正化のため規制の対象とする
〇違反者に対しては、業務停止命令や罰金等の措置により、実効性を担保
(1)不当な勧誘行為の禁止
サブリース業者・勧誘者による特定賃貸借契約(マスターリース契約)勧誘時に、家賃の減額リスクなど相手方の判断に影響を及ぼす事項について故意に事実を告げず、又は不実を告げる行為の禁止
(2)特定賃貸借契約締結前の重要事項説明
マスターリース契約の締結前に、家賃、契約期間等を記載した書面を交付して説明
2.賃貸住宅管理業に係る登録制度の創設
〇賃貸住宅における良好な居住環境の確保を図るとともに、不良業者を排除し、業界の健全な発展・育成を図るため、賃貸住宅管理業者の登録制度を創設
(1)賃貸住宅管理業者の登録
委託を受けて賃貸住宅管理業務する(賃貸住宅の維持保全、金銭の管理)を行う事業を営もうとする者について、国土交通大臣の登録を義務付け(※管理戸数が一定規模未満の者は対象外)
(2)賃貸住宅管理業者の業務における義務付け
①業務管理者の配置
事務所毎に、賃貸住宅管理の知識・経験等を有する者を配置
②管理受託契約締結前の重要事項の説明
具体的な管理業務の内容・実施方法等について書面を交付して説明
③財産の分別管理
管理する家賃等について、自己の固有の財産等と分別して管理
④定期報告
業務の実施状況等について、管理受託契約の相手方に対して定期的に報告
個人的に注目したのは、赤字の部分。
サブリース業者だけではなく、
「サブリース業者と組んでサブリースによる賃貸住宅経営の勧誘を行う者(勧誘者)」
に対しても規制の対象となる点です。
この「勧誘者」が一番悪徳ではないか?と思うケースが多々ありました。
結局、問題になっても「勧誘者」に対しては書面でどこにも出てこないため、
あとから責任追及をすることができず、悔しい思いをしてきました。
今回の法律でこの「勧誘者」も規制できることは、今後のトラブル防止の大きな一歩です。
サブリース業者の規制に関しては、半年後の2020年12月~
賃貸住宅管理業の登録制度に関しては、1年後の2021年6月~
施行される予定とのことです。
不動産業界、賃貸管理業界の健全化により、不動産投資破綻が減ることを切に願います。
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