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二番手は“棚ボタ”にはなれません。競売の次順位買受制度

住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。

先日、同業の知人と競売の話になりました。
知人がある経営者の方から相談を受けた時のこと。その方は会社が倒産して自宅が競売になってしまったのですが、どうしても住み続けたいから既知の人に落札してほしい、という希望を持っていたそうです。
競売は、当事者は入札できませんが、利害関係がなければ親族や知人でも入札することができます。ただ、このブログでもよく取り上げるように、競売市場が高騰している昨今、予測できないような高額での入札が突然入ってくる場合があるので、確実に落札して住み続けたいなら任意売却とリースバックの組み合わせのほうがいい。ところが、債権者が任意売却を認めないためこの作戦は望めない。そのような事情があって、親族に入札してもらうことになったということでした。

 

競売入札には20%の保証金も必要

競売は、裁判所選任の不動産鑑定士による「3点セット(現況調査報告書・評価書・物件明細書)」を基に裁判所が売却基準価額(最低売却価額を決める基準になる金額)を決め、併せて買受可能価額も決まります。買受可能価額は最低入札額のことで、通常は売却基準価額の80%に設定されます。入札者は売却基準価額の約20%を保証金として入れることで、入札が可能になります。たとえば売却基準価額が500万円の物件だとしたら、買受可能価額は400万円。保証金は100万円。入札するには、400万円以上のお金が必要です。

買受の権利が二番手に移る「次順位買受制度」

一番高額で入札した人が落札し、落札者や入札したお金に特に問題(たとえば反社関連だったとか、債務者から流れたお金で入札していたとか)がなければ売却許可決定が下り、落札者は代金を納付します。
しかし何らかの問題がわかって売却許可決定が下りなかったり、代金を期日までに納付しなかったことで売却許可決定が失効した場合、物件買受(落札)の権利は二番目の人に回ってくる。事前に申し出ていれば、「次順位買受制度」によって二番目の入札者が買受けできるようになるのです。

「一番よりも金額は安くすむ」?

知人に相談してきた経営者の方は「次順位買受制度」のことはご存知なく、ごく一般的な感覚として、こんなふうにおっしゃったとのことでした。
「うちは築年数が古いし建築的にもいくつか難点がある物件で、エリアも別に人気なところではなく、どちらかと言えば地味で不便な場所にある。だから、入札する人はいないような気がする。でも確実性はないから、落札できる可能性が高い高値の金額での入札と、誰かほかの関係者に安い金額、最低価格での、両方で入札するのがいいんじゃないか。入札者が2人だけなら、一番のほうは保証金を放棄して権利を失効させても、二番手に回れば、一番で買うよりも金額は安くすむし、得だということになりますよね?」

一瞬、なるほど、と納得しそうになりますが、そうはなりません。公平性や正当性は民事執行法できっちりと規定されています。

“次点候補”になるための条件とは

たとえば前述の売却基準価額500万円の物件に、700万円で入札した人がいたとします。最終的にこの人が落札者となりましたが、期日までに代金の納付がなかったため、事前に最高価買受申出人に次ぐ高価の買受けの申出をしていた二番の人が、次点候補に挙がる可能性が出てきました。ほかにも次点候補になるには条件があり、

・申出額が買受可能価額以上(この場合は400万円以上)。
・一番の人の申出額(この場合は700万円)から保証金(この場合は100万円)を控除した額(この場合は600万円)以上の申出をしている。
・開札期日終了までに、執行官に対して次順位買受けの申出をしている。

――これらをクリアして初めて次点の落札者になれるのですね。

法改正でさらに規制された反社勢力の介入

次順位買受申出制度は民事執行法第67条に定められています。同法は1979年に制定されましたが、他法の改正などに合わせて順次規定の整備が行われ、2019年に改正法が公布(202041日施行)。改正の目的は「不動産競売の効率化や適正化を目的とした全体的な見直しの一環としての整理」ですが、大きな理由は反社及び関連勢力への入札制限でした。改正法施行によって、そもそも入札するためには「暴力団員等に該当しない旨の陳述書」の提出が必須となり、近年の競売市場のクリーン化につながる一歩になっています。

次順位買受制度もこのようなルールがしっかりと整備されており、競売市場では公正な取引が行われています。近年の競売市場が不動産市場と比例して高騰している現状には、こういった背景もあるのですね。ですから、もしも自宅などが競売になって、誰か関係者に落札してもらいたいとなった場合、「競売だから買受可能価額+αで落札できるだろう」という安易な考えでは落札できないケースが今はほとんどです。当NPOでは落札予測価格のアドバイスも行っていますので(価格の保証はいたしませんが……)、気になることがあればお気軽にご相談ください。

冒頭の経営者の方の競売は無事、親族が落札し、現在はリースバックしてご本人が引き続き居住しているとのことでした。

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