「正直不動産」ドラマ化に思うこと

住宅ローン問題支援ネット の高橋愛子です。

マンガ「正直不動産」がドラマ化されるとのことで、以前から楽しみにしていましたが、

とうとう来月4月5日(火)22:00~スタートとのことです。

主演は山Pとのことで、主人公の永瀬のイメージ通りと言えばそうですが、

ちょっとイケメン過ぎるな~笑 と思いました。

NHK「正直不動産」

不動産業界の実態がリアルに描かれた漫画で、悪徳業者のみならず、

不動産業者の営業マンなら、「え!ここまで書くか」と少々やりづらくなるような内容もあるこの漫画。

私も、持っています(7巻までですが・・)↓

不動産業者なら分かるリアルな業界あるある

・両手

・囲い込み

・あんこ業者

・ブローカー

・おとり物件

・地面師

・AD

・三為

などなど、一般の人には分かりづらい業界の裏の仕組みや不動産業の取引の問題点について、

詳しく書かれています。競売や任意売却の回もあります。

主人公は、ある不動産会社のトップセールスマン永瀬。

永瀬は売り上げの為なら顧客に嘘をついてでも契約をさせることも多々ありましたが、

あることをきっかけにして嘘が付けなくなり、正直なことが口から勝手に出てきてしまうようになりました。

営業成績が下がってしまったが、徐々に正直に仕事をすることで意識が変わり、営業成績も上がっていくが、、というお話。

正直なところ、不動産業界の営業マンは売上の為に本当の事やリスクを言わなかったり、無理やり契約させるということはよくあると思います。

また、売ったらさようなら、その後のフォローが無く連絡が取れない、、なんてことも多々あります。

(もちろん、そうではない誠実な不動産業者さんの方が多いです)

だからこそ、不動産屋は怪しい、怖い、悪徳だと言われていて、不動産業界自体がダークな印象がある人も多いと思います。

なぜこのように昔から思われているのか?私が思うには、

・少しの言い回しや話の持っていき方で、何十万、何百万(何千万ということも)と利益が変わる

・厳しいノルマがあり、会社から利益の多い物件を決めるよう教育されている

というのが大きな理由だと考えます。

不動産というのは高額のため、1件決めれば不動産業者の利益は高額です。

売買物件の場合は、法定で決められた仲介手数料の3%+6万円(400万円以上の物件の場合)。

1億円の物件を仲介したら、306万円で、買主と売主の両方からもらうことが出来れば(両手)612万円の利益になるわけです。

そのため、他の不動産業者に物件を紹介せずに自社のみで物件を「囲い込み」をして、両手狙いをすることは業界では普通に行われています。

一時期、大手不動産業者による囲い込みが問題になり、囲い込み防止のルールなどが出来ましたが、今も囲い込みが横行している実態があります。

私も不動産屋に初めて就職した賃貸仲介会社では、実際には存在しない安い「おとり物件」でお客様を呼んで、

手数料が多く入る「自社物件」に決めるよう教育されました。

それはそれは厳しく理不尽な教育で、お客様の希望条件をいかに営業力で妥協させ自社物件に決めるか、

が会社で評価される営業マンでした。

組織で生きるサラリーマンとしてはそれに従うしかなく、ましてや知識もない状況だったので、そのやり方が間違っているのかすらも分からず、

言われた通りに自社物件に無理やり決めさせる日々が続きました。

でも、少し営業ができ始めた時、「どうしてお客様の希望の物件を紹介してはダメなんだろう」と疑問を持つようになり、

会社の言う通りに営業成績を達成し、少し自分のやり方で営業をさせてもらえるようになってから、

手数料が少なくてもお客様の希望通りの他社の物件を探して紹介するようになりました。

そうしたところ、1回の手数料は減りましたが成約率が上がり、何よりお客様から感謝されました。

そしてお客様からの紹介が増えていったのです。

その時に初めて、目先の利益は少なくてもお客様のために仕事をすることで、結果的に自分自身の利益に繋がるものだと思いました。

そこから、「損得より善悪」で仕事をしようと決意したのです。

その時の決意が今でも自分の仕事をする上での強い指針となっています。

NPOの活動もその思いが根源です。

もちろん、我々不動産業者はボランティアではないので、利益を上げなくてはなりません。

でも不動産という高額なものを扱い、顧客の人生を大きく左右する仕事だからこそ、

自己の利益を第一に考えて営業するのではなく、お客様の利益を考えて仕事をしていくことが大切だと思います。

ネットが普及し、物件が流通化し、情報も簡単に得られ一般の方が自分で調べることも可能な世の中になりましたが、

まだまだ知識不足で「不動産屋に騙された!」という相談も多くあります。

この「正直不動産」のドラマ化で、不動産業界のタブーとされている実態が表面化し、

少しでも騙されたと言う人が減り、不動産業界全体がクリーンアップすることを願います。

NHKのドラマでどこまで描かれるのか、とても楽しみです。

 

【3月の土日祝日無料相談会】

終了しました。

(4月の予定は明日アップします)

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